くびのブログ

数学のこととか…?

2021春学期の授業の感想

某大基幹理工学部数学科2年のくびといいます。友人が書いた春学期の振り返り記事が面白かったので自分も書いてみようと思ってアカウント作ったりなんやかんやしてきました。

 

時間割

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常微分方程式と応用数理演習は応数の科目、産業社会のメンタルヘルス認知心理学はA群、あとは英語を除けば数学科の必修科目です。

 

常微分方程式入門

 かなりいい授業でした。基本オンデマンド形式で、最後の数回はリアルタイムでしたが出欠等はなく、アーカイブも残ったので実質的に全部オンデマンドでした。成績は、ほぼ毎回出る小レポートと、中間・期末レポートで決まるっぽいです。内容としては、入門とついているように初歩の変数分離から始めて、いろいろな形の常微分方程式の解き方を学ぶ、みたいな感じでした。応用性というか実際に微分方程式を解くことを重視している感じで、たまに一般性の高い回があって全然わかんね~ってなってたんですが、そういう時は課題が出ませんでした。とてもありがたかった。授業動画といっしょに資料のpdfが配られるんですが、これがとてもわかりやすくて、しっかり読めばレポートで満点をとれるくらいの感じでした。時間割的にとれるならぜひとってみてください。

 

位相入門

別にそんな悪い授業でもなかったけど良い授業というわけでも…って感じの授業でした。最初は対面だったんですけど、緊急事態宣言やらでZoom配信が追加され、しかもアーカイブが残ったので日に日に対面受講者が減っていきました。授業の最後に課題が出されるんですが、早めに済ませればその場で提出できたので、それ目的で毎回対面に行ってました。あと翌日が1限対面なのでここらで起きておかないとしんどかった。内容としては松坂和夫先生の「集合・位相入門」の位相のところを追っていくって感じで、そもそも松坂位相の説明がかなり丁寧なのでそんなに本と内容は変わりませんでした。先生の声がマイク越しだとなんか聞き取りづらくて、僕は自分のペースで松坂位相を読んでました。たった15回で位相をあらかた終わらせるとかいうなかなかな授業目標をしていたのでペースが早く、数回サボっただけでかなり苦労しました。成績は、前述の毎授業後の課題と、最終週の対面試験で決まります。これからこの授業を受ける人は、自分でしっかり松坂位相を読んでおくことをおすすめします。

 

産業社会のメンタルヘルス

オムニバス形式で、5回ごとに違う先生がそれぞれの講義をしてくださる感じでした。課題はなんか感想を書いたり与えられたテーマで1000文字ぐらいの文章書いたりと、ふっつうのA群でした。内容は普通に良かったです。鬱だな~って人とかは受けてみるといいかも。

 

代数学序論

とてもいい授業でした。位相入門と同じ感じで、原則対面でZoomのアーカイブも残るって感じでした。1限対面なのもあってやっぱり人は減っていきました。僕も1回だけ絶起してしまいました。内容は群論を一通り触る感じで、飛ばしたところもありましたが、群の定義から交換子群や単純群なんかまで触れました。今学期は渡邉先生が授業を担当したんですが、例年は永井先生が担当していたらしいです。オリジナルの黄色いテキストが初回で配布されて、それを使って授業していました。わかりやすく書いてある上に各回ごとに演習問題もついていて、めちゃくちゃ質が高かったです。成績は最終週の対面試験のみで決まります。通年だから秋はわかんないけど。他学科の人も暇だったら潜りに来てみてください。先生に言えば多分テキストももらえます。

 

解析学入門

めちゃくちゃ良い授業だったんですけど大変でした。スパルタ。先生は優しい人なんですけど、授業資料についている演習問題が難しい上に解答がついてなくて、それはもう悩みました。内容は

・数列・点列(上下極限とか集積点とか)

・関数列の収束

・べき級数

・ノルム空間(完備性らへんまで)

ってな感じで4パートに分かれてました。前述の通り演習問題がめっちゃ難しいんですが、質がめちゃくちゃ良くて、うんうん唸りながら解いていくうちにだんだんその心がわかってくる、って感じでした。特に、この先生は「~を証明せよ」って感じの問題より、「~の真偽を理由とともに答えよ」みたいに、自分で真偽を考えさせるタイプの問題のほうが好きっぽくて、演習問題も結構な割合でこんな感じでした。それが大変さの大きな要因ではあったんですが、このタイプの問題をたくさん解いたおかげで数学の感覚みたいなものが身についた気がしています。成績は最終週の対面試験のみで決まります。多分秋もそう。死ぬ気でやればめっちゃ成長できる最高の授業でした。

 

応用数理演習

集合論の問題と問題ごとの担当者表みたいなのが配られて、1回3,4題ずつくらい担当者がその解答を前で発表する感じの授業でした。その仕様上、4つの少人数クラスに分割されていました。小山先生かTAさん(クラスごとに固定、半分くらいで1回変更された)が発表を聞いて、不備があれば指摘する、といった感じで進行していきました。僕は合計で3問発表したんですが、ダルい問題に当たらなければ解答も作りやすく、突っ込まれることもそんなにないので運次第では楽です。逆に言うと、結構大変な問題もちらほら見受けられたので、運次第では地獄です。素人質問を疑似体験できる良い授業でした。

 

Academic Reading

僕のクラスはオンデマンドで、毎回課題が出るのでそれを期限内に出す授業でした。隔週でAWLの単語テストがリアルタイムで行われたので、そこには注意。あと、計2回SNQのリアルタイムテストもありました。内容は友人から聞いた感じ他とあんまり変わらないっぽい。英文を読んで要約をしたり、引用の仕方とか文章の種類?を学びました。正直よくわかりませんでした。激甘評価をしてくれたので好きです、この授業。

 

代数学A

代数の授業がなんか2つあります、数学科。オンデマンドで動画が公開される形式だったんですが、課題が出ない上動画の視聴期限とかもなかったので、後述の多変数解析と並んで授業動画を溜めまくる人が続出しました。代数学序論との違いですが、あちらより群論をあっさりと済ませ、もう環・体に入りました。秋学期は初等整数論をやるらしいです。成績に関してなんですが、全くわかりません。というのも、シラバスにはレポートのメール提出で成績を決定すると書いてあるんですが、未だに第15回の授業が公開されておらず、形式的には春学期の授業がまだ終わっていないからです。公開されたら加筆修正するかも。

 

ベクトル空間と幾何

素晴らしい授業でした。対面授業で、オンデマンドに残ったりしなかったので、1限にも関わらず結構人がいました。期末テストのようなものがなくて、毎授業後にMoodleに出される課題の出来で成績が決まります。こういう形式の授業の中では珍しく、時間はだいぶかかりますがTAさんによるフィードバックがあり、点数がわかりました。採点基準も一緒に送られてくるので、とても親切だと思います。内容は、1年の線形代数の続きで、ジョルダン標準形に関する話をやって、それが案外早く終わったので行列の指数関数を用いた連立微分方程式の解き方と、双対空間の話をして春学期分は終わりました。ジョルダン標準形の求め方がちょっと特殊?らしく、Kerの商空間の列によるヤング図形を用いたやり方だったんですが、これが個人的にはとてもわかりやすくて、一般的なやりかたよりすんなり飲み込めました。毎回出される課題も、一見意味がわからなくても手を動かしてみると自明だったりして、とても面白かったです。先生がめちゃくちゃいい人で、授業後はよく質問しに行ってました。暇な人は見に来てみてください。

 

多変数解析

難しい授業でした。オンデマンドで動画と資料が公開されるのですが、前述の代数学Aと同じく課題等がなかったので、めちゃくちゃ溜めてしまってました。内容は、多変数関数の扱い?っていうんでしょうか、陰関数定理とか、逆写像定理とか。後半では積分の話に入り、Jordan零集合やLebesgue零集合とかを扱ってました(よくわかってない)。あ、位相の知識があると多少楽に読めるので先に位相をやっておくことをおすすめします。授業内容がかなり一般的で授業資料も読みにくく、「こんな難しい授業の単位とれねぇよ…」とか思ってたんですけど、春学期末レポートの内容が「今までの授業で出した練習問題の中から合計3問を選んで解いて提出する」で、簡単めの問題もいくつかあったので、ギリなんとかなりそうです(そこまでのレベルは求められてないっぽい?)。多分なんとかなると思うんですが、先生が結構おじいちゃんで機械に弱いのか、Moodleの提出フォームが提出期限を過ぎた今でも提出できない状態なんですよね。一応メッセージは送ったんですけどどうなるんでしょう。なんか動きがあったら加筆修正するかも。

8/6追記:提出期限が8/15まで延びて、ちゃんと提出できるようになりました。

 

Concept Building and Discussion

英語です。僕のクラスはZoomのリアルタイム配信で、毎授業の初めに3-2-1 taskっていう、与えられたトピックについて数分かけて話すことを決めて、ブレイクアウトルームで3分スピーチして、1分間考えて、また別のブレイクアウトルームで2分スピーチして、さらに別のブレイクアウトルームで1分スピーチして…みたいなことをしてました。話しやすいトピックの時はまあよかったんですけど、話しにくいトピックのときが大変で、かなりの無言時間が生まれてしまいました。終わってみると、多少スムーズに英語を話せるようになったような気がしないでもない…って感じでした。最後の数回で、4人ずつくらいのグループに分けられて、グループごとにトピックを決めてプレゼンをするやつがあったんですけど、僕はたまたま友人と同じグループになれたので精神的にいくらか楽でした。3年以降は数学だけをしていたいのでなんとか単位取ります。必修なので頑張るしかない…。

 

認知心理学

A群です。15回ぜんぶ同じ先生がやる授業で、内容がその分高度になっていって、ボーッと見ていたら結構おいていかれました。ちゃんと見ればかなり面白い内容だったと思います、申し訳ないな…。毎週動画と資料が公開されて課題も出るスタイルだったんですけど、その課題の内容が、感想文もあれば心理学の実験に参加するものもあって、なかなか面白かったです。また、この資料がとてもわかりやすく、テスト前にはこれを読みまくってました。成績評価の割合が、毎週の課題:最終週のオンラインテスト=7:3だったので、毎週の課題をしっかりやるのが単位を取るには不可欠です。最終週のテストはオンデマンド形式でいつでも受けられたんですけど、内容がだいぶ難しくてヒィヒィ言いながらやってました(解き終わらなかった)。

 

まとめ

他学科に比べて課題の量は圧倒的に少ないんですが、その分自分で勉強しなきゃいけないのが大変でした。マイペースでやれたのが自分には合っていたのでこの学科に入ってよかったと思いました。5月くらいからはほぼ毎日数時間数学してたんですけど、それでもテスト前には焦りっぱなしだったのだから恐ろしいです、この学科。バイトがあるとその日はな~んか勉強する気が出てこなくなってしまうので、バイトやめようかな~でもお金ないしな~って悩んでます。A群はあと1個とればいいので、秋学期はもうちょい数学に専念できるといいな~って考えてます。